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秋の夜長、香りの歴史を読む①-英雄のアロマ-
~古よりひとは香りを楽しみ、香りとともに生きてきました~
アロマテラピーという言葉や概念が確立されたのは近代(1930年代フランスの科学者ガットフォセにより造語)ではございますが、植物や精油を用いて香りを生活に取り入れたり楽しんだりする習慣はそれよりもずっと以前の、紀元前から始まっていました。古代のひとびとの暮らしにみるアロマテラピーの原型、いわば「香りの歴史」。秋の夜長は静寂漂う、匂い立つ空間でこの香りの歴史をたどってみてはいかがでしょうか?アロマテラピーの奥深さに迷宮入りするかもしれません。読書の秋、麻布十番アロマサロンh.touchがお届けする今回の「aroma topics」は香りの今昔物語第一章、英雄のアロマ・フランキンセンスに纏わる歴史です。
古代エジプトではミイラ作りに乳香(フランキンセンス)や没薬(ミルラ)が用いられていました。この二つは新約聖書の中でもイエス誕生の際に東方の三博士がイエスに捧げたものとして、黄金とともに登場するのですが、この話はアロマテラピーに精通するかたならだれもが御存知の歴史です。フランキンセンスもミルラもいずれもいまでも精油として存在します。また、神々を祭る神殿ではなにか物質を焚くことで煙を出す-薫香が用いられたのも有名な話です。perfume(パフューム)という言葉からも、perは“通す”とfumeは“煙”であるようにそもそも香りとは煙として神に捧げるものでした。
一方、人間が楽しむために生まれたのが香油です。古代エジプトの壁画には温めた油に香り成分を移す手法が描かれています。また、ツタンカーメン墓から発見された黄金の王座の背もたれ部分には王のからだに香油を塗る王妃の姿が描かれています。これはまさに現代のアロマトリートメントの原型とも言えるのではないでしょうか。
紀元前300年代を生きた英雄アレキサンダー大王は19歳の若さで即位しその二年後には東方遠征を始め、アケメネス朝ペルシア帝国を滅ぼして中央アジア、インド北西部に至る広大な世界帝国を実現しました。そんな彼が愛好していたのも乳香でした。古くは死者への供え物、権力者の名誉の証、そして特別な宴で焚かれたフランキンセンスは空気の浄化やリラクゼーションのためにいまなおお薫香としてアラブ世界で用いられています。アレキサンダー大王の東征と大帝国の建設を機に東西に活発な文物交流の場が開かれ、この頃東西のハーブやスパイスが交易品として盛んに取引されるように。ここから時と国境を経て、香りの文明は進化を遂げ現在のアロマテラピーの形へと近づいて行くのです。
古代から「金」よりも貴重とされ、英雄の象徴ともなるようなフランキンセンスですが、現代では優れた美肌効果のある精油として女性に親しまれています。また瞑想するときの香りとしてもよく使用されます。麻布十番アロママッサージサロンh.touchでもお肌の乾燥やストレスのケアにフランキンセンスのブレンドオイルでのトリートメントをご提案しておりますが、今回はフランキンセンスのもう一方の側面に注目。古代で功を成した人が愛したフランキンセンスをまじないやゲン担ぎのようなものとしてみなさまのお仕事での成功やプライベートの成就に活かしてみてはいかがでしょうか?
現代社会という戦場
香りはときに士気をも高めるはず、、
※参考文献「日本アロマ環境協会機関紙」等
【フランキンセンスの主な用途】
リラクゼーション、呼吸器の緩和、皮膚細胞の若返り等スキンケア
麻布十番プライベートアロマサロンh.touch
星 奈緒美
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